事故による椎間板ヘルニアの治療について
椎間板ヘルニアは、背骨（脊椎）の間にあるクッションの役割をする「椎間板」が飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こす病気です。通常は加齢や姿勢の悪さが原因で発生することが多いですが、交通事故による衝撃がきっかけで発症するケースもあります。事故後に腰や首の痛みが続く場合は、早めに医療機関で診察を受けることが大切です。
交通事故後の椎間板ヘルニアの主な原因
1. 強い衝撃による椎間板の損傷
交通事故の衝撃で背骨に大きな負荷がかかると、椎間板が圧迫され、本来の位置から飛び出して神経を圧迫することがあります。
2. むち打ち症による頸椎（首）の負担
首に強い衝撃が加わる「むち打ち症」は、頸椎（首の骨）に負担をかけ、頸椎椎間板ヘルニアを引き起こす原因になることがあります。
3. 衝突時の姿勢による腰椎（腰）の負担
事故の際、シートベルトをしていても、腰に強い衝撃がかかることで、腰椎の椎間板が損傷し、腰椎椎間板ヘルニアになることがあります。
4. 事故後の姿勢の悪化や運動不足
交通事故の後遺症で姿勢が崩れたり、動くのを避けてしまうと、腰や首の負担が増し、ヘルニアの症状が悪化することがあります。
椎間板ヘルニアの主な症状
首や腰の痛み：じっとしていても痛みを感じることがある
腕や足のしびれ：神経が圧迫されると、手や足にしびれが出る
筋力の低下：神経の影響で筋肉が弱くなり、力が入りにくくなる
姿勢が取りにくい：前かがみや反り返る姿勢がつらくなる
歩行困難：重症の場合、足の動きに影響が出て歩きにくくなる
頸椎（首）のヘルニアの特徴
首の痛みやこりが続く
腕や手にしびれが出る
肩甲骨周辺の痛み
腰椎（腰）のヘルニアの特徴
腰の痛みが続く
足にしびれや違和感を感じる
長時間立っていると痛みが増す
椎間板ヘルニアを改善するための対策
1. 早めに医師の診察を受ける
交通事故後に腰や首の痛み、しびれが続く場合は、整形外科を受診し、MRI検査などで椎間板の状態を確認しましょう。
2. 安静にする
ヘルニアが悪化しないように、無理な動きは避け、患部に負担をかけない姿勢を意識しましょう。
3. 痛み止めや神経ブロック注射を活用
痛みが強い場合は、**消炎鎮痛剤（ロキソニンなど）**や、神経ブロック注射を用いて痛みを軽減することがあります。
4. リハビリ・ストレッチを取り入れる
医師の指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングを行うことで、神経の圧迫を軽減することができます。
5. 姿勢を改善する
背骨への負担を減らすため、猫背を避け、正しい姿勢を意識することが大切です。
6. 手術を検討する場合もある
症状が重い場合、内視鏡手術やレーザー治療などの方法で椎間板を除去することもあります。ただし、手術は最終手段として、まずは保存療法（リハビリや薬物治療）を試すのが一般的です。
日常生活で気をつけること
1. 重い物を持つときは膝を使う
腰に負担をかけないように、重いものを持つときは膝を曲げて持ち上げるようにしましょう。
2. 長時間の同じ姿勢を避ける
デスクワークや長時間の運転を避け、適度に休憩を取ることが大切です。
3. 適度な運動を取り入れる
ウォーキングや水中運動など、腰や首に負担をかけずに筋力を維持する運動を取り入れましょう。
まとめ
交通事故による椎間板ヘルニアは、首や腰に強い衝撃が加わることで発症し、放置すると慢性化する可能性があります。事故後に腰痛やしびれが続く場合は、早めに医師の診察を受け、適切な治療を行うことが重要です。リハビリやストレッチ、姿勢の改善を意識しながら、症状の悪化を防ぎましょう。
