事故による骨折の治療について
交通事故は、強い衝撃が体に加わるため、骨折を引き起こすことが多い外傷の一つです。骨折は、適切な治療を受けなければ、骨の変形や関節の機能障害、慢性的な痛みを引き起こす可能性があります。特に、事故直後は痛みが軽くても、時間が経つにつれて腫れや痛みが強くなることがあるため、早めに医療機関で診察を受けることが重要です。
交通事故後の骨折の主な原因
1. 衝突による直接的な衝撃
事故時に車のドアやハンドル、ダッシュボード、地面などに強くぶつかることで、骨折が発生します
2. 転倒や高エネルギー外傷
事故でバイクや自転車から投げ出されたり、歩行中に車と接触して転倒すると、骨に強い負荷がかかり骨折することがあります。
3. シートベルトによる骨折
シートベルトが胸部や腰部を強く固定することで、肋骨や鎖骨、骨盤の骨折を引き起こすことがあります。
4. 手や足を強くついた際の骨折
事故の衝撃で転倒した際、手を地面につくことで手首や腕の骨折、足を踏ん張った際に足の骨折が起こることがあります。
交通事故後に発生しやすい骨折の種類
1. 肋骨骨折
シートベルトやダッシュボードの衝撃で発生しやすく、呼吸をする際の痛みや胸部の圧痛が特徴です。
2. 鎖骨骨折
シートベルトの圧迫や転倒時の衝撃で発生しやすく、肩や腕を動かすと痛みが強くなるのが特徴です。
3. 手首や腕の骨折(橈骨遠位端骨折、尺骨骨折)
事故時に手をついた際に発生しやすく、腫れや変形を伴うことが多いです。
4. 足首や脛の骨折(脛骨・腓骨骨折)
車と接触した際や、足をひねった際に発生しやすく、歩行困難になることが多いです。
5. 骨盤骨折
シートベルトの圧迫や転倒などで発生しやすく、内臓損傷を伴うことがあり、早急な治療が必要です。
6. 大腿骨骨折
高エネルギーの衝撃(車と歩行者の衝突など)で発生しやすく、手術が必要になるケースが多いです。
交通事故後の骨折の主な症状
激しい痛み
腫れや内出血(あざ)
患部の変形や不自然な形状
関節の動きが制限される、または動かせない
体重をかけると痛みが増す
患部を押すと強い痛みがある
骨折が疑われる場合の注意点
無理に動かさない(骨のズレや神経・血管の損傷を防ぐ)
患部を固定する(副木や包帯で固定)
すぐに医療機関を受診する
骨折を改善するための対策
1. 早急に医療機関を受診する
骨折は放置すると治癒が遅れたり、骨が変形してしまうリスクがあるため、早めに病院でレントゲンやCT検査を受けましょう。
2. 安静にし、無理な動きを避ける
骨折部位が動かないように固定し、むやみに動かさないことが大切です。
3. ギプスやシーネで固定する
多くの骨折は、ギプスやシーネ(添え木)で固定して自然治癒を待つことが一般的です。
4. 手術が必要な場合もある
骨が大きくズレている場合や、関節の骨折では、手術でプレートやボルトを使用して固定することがあります。
5. リハビリを行う
骨が回復した後は、関節の可動域を取り戻すためのリハビリが必要になります。長期間固定していた場合、筋肉が弱っているため、適度なストレッチや筋力トレーニングが重要です。
日常生活で気をつけること
1. 早めに骨の回復を促す食事を摂る
カルシウム(牛乳、チーズ、小魚など)
ビタミンD(鮭、きのこ類、卵など)
タンパク質(肉、魚、大豆製品など)
2. 無理に体重をかけない
下半身の骨折の場合、体重をかけると回復が遅れるため、松葉杖や車椅子を利用しましょう。
3. 固定期間が終わったら徐々に動かす
長期間の固定後は、筋肉が硬くなっているため、医師や理学療法士の指導のもと、無理のない範囲で動かし始めることが大切です。
4. 再骨折を防ぐために、適度な運動を続ける
骨折後は、筋肉が弱り、バランスを崩しやすいため、転倒を防ぐための運動を継続しましょう。